風の色

祈りと信仰(三十)
2023.06.11

祈りと信仰(三十)
濁水心なけれども、月を得て自 から清めり。
草木雨を得て、豈覚あ って花咲くならんや。
『妙法蓮華経』の五字は経文に非らず、その義に非らず、唯一部の意耳、初心の行者其の心を知らざれども、而も之を行ずるに、自然に意に当たるなり。
日蓮聖人御遺文(四信五品 鈔)
於 身延山 聖寿五十六歳

妙法の五字には、あらゆるすべてのものを活かす不思議なはたらきが含まれているので、理屈抜きで信じて南無妙法蓮華経と唱えさえすれば、求めなくとも自然にご本佛様からそのこころを頂いていることになる。
不思議なご守護を頂いて有り難いと感じるその心こそがご本佛様に照らされている姿なのである。
ちょうど水が火を消したり、火はまた物を焼いたりするのも、元より水や火に心あってのことではないように、素直に唱えればよい。