風の色

久遠のみち(十二)
2022.10.30

久遠のみち(十二)
お盆のお棚経に出向いた時に交わした対話の一部を紹介します。
「長い間人間ばかり見てきたので、定年退職後は主に庭に生い茂る草木などに目を向けている」
・何故、人間から植物等自然との対話へ向かわれたのですか。 
「人間と違って素直に自然環境に順応しながら精一杯花を咲かせたり木の実を結ぶ在りように何故か心が奪われるから」
・それは、ある意味で今の時代閉塞や人間の在りようを変える為には、人間同士の対話からはあまり期待が出来ないとも言えますか。
「そうとも言い切れないが、同じ大自然に生かされている生命でありながら、かくも違うものかと考えさせられる」
・人間や動物も元々は大自然の産物とすれば、そこには根源的には共通の生命意思が在って当然とも言えますが……。
「その辺の所を佛教、なかんずく法華経との接点といえば何ですか」
・森羅万象悉く佛性ありとすることからすれば、もとより皆同じ生命を生き続けていると言えます。
あらゆる生命に共通する意思の源(久遠)は所詮、慈悲心(愛)ですから。
「宗教の原点みたいなものでしょうか………」
・今やすっかり見失いがちなそれを人間同士の対話からは得られないものを身近にある草木と向かい合うことによって智慧を磨かれておりますこと、実に尊いことと存じます。
「この辺が判ると、人間にとって、もとより孤独という事はあり得ない事になりますね」
極めて当たり前の事ですが何かを感じ取って頂けたら幸いです。

朝に聞く法話
2022.10.27


日蓮宗公式LINE3分法話

■朝に聞く法話

ペット葬儀 / 犬(ピレネー犬) : 岩手県奥州市
2022.10.25

【過去事例】ペット供養依頼
大型犬の葬儀でした
憧れて飼ってみると苦労の多い日々だったと話しておりました
その分、愛着がありペットロスが治まらないとのことでした
家族全員で本堂で涙の葬儀をしました
60代男性からの依頼でした
ペット葬儀 / 犬(ピレネー犬) : 岩手県奥州市

第5回三木大雲ゾッとする話、無事終了
2022.10.23



「ゾッとする話」にご来場下さいました皆様、ご協力下さいました皆様、厚く御礼申し上げます
デジタルの時代、YouTubeを開けば三木上人の話は無数に聞けます
ですが、YouTubeは編集されて耳に届き易く作られたモノです
怪談のLIVE感は来場された方しか分からない、その日しか味わえないモノがあります
肌で感じる事が少なっった時代だからこそ、何かを感じて貰えたらと思います
また、来年も企画したいと思います
楽しみにお待ち下さい

おやすみ前のお話
2022.10.20


日蓮宗公式LINE3分法話

■おやすみ前のお話

第5回お坊さんが話すゾッとする話 三木大雲
2022.10.18


怪談和尚・三木大雲
京都・蓮久寺住職。言の葉研究所所長であり、怪談和尚の異名を持つ。
京都のお寺に生を受け、多くの寺院で修行しながら各地を放浪。
ソノサキで起こりうる世にも奇妙なゾッとする体験。
ポルダーガイスト、さまよう霊、人形のお祓い、不思議な超常現象・・・
あまりの恐怖から、語ることさえ憚られた。
僧侶が語る現代の怪談・奇譚のソノサキとは・・・

今年で5回目の怪談説法となります
県内在住者、リピーターのみ、一部30名限定開催となります
「チケット完売御礼」怪談説法公演は完売いたしました。 当日券の販売もございません。

★三木大雲プロフィール

住職紹介

久遠のみち(十一)
2022.10.16

久遠のみち(十一)
お陰様で、当山の庫裡の建設工事が当初の予定より大幅に延びたものの完成するまでの間、何一つ魔障なく円成させて頂いたのは、御本佛様の大慈大悲の御守護とお導きの賜と深く感謝している。
今は、周辺の環境整備を残しながらも徐々に什器備品を整えつつ諸行事等に使わして頂いている。
そもそもこの庫裡建設の事業は、二十年前より発願し続けてきたもので、様々に紆余曲折を経ながら機の熟するのを待つ思いであった。
時恰も、宗祖日蓮大聖人立教開宗七五〇年を迎えるに当たり、念願の事業を当山の慶讃記念事業として是非とも実現したいと思い、平成八年に有縁の檀信徒の皆様にご理解とご協力を求めたもである。
思えばこの事業を遂行するについて、多くの皆様にとって、百軒足らずの檀家で、しかもこの不景気な時期に、敢えてこの事業を始める事に大きな抵抗と疑問を持たれたのも無理からぬ事と拝察していた。
然し、私はこの事業の発願した時から、必ずや円成することを信じて止まなかった。
それは法華経を信じ御題目を唱える人々が依処とする道場が建たない事はないとの固い信からである。
一方、浄財を寄進されるおひとりおひとりが、本来から地涌の菩薩としてこの世に生を享け、またとないこのような浄業に出会い、法華経実践の道場を建てる為に、それぞれ異なった姿や思いを持ったとしても必ずや佛業を修められる尊い菩薩集団であることへの信でもあった。
日蓮大聖人の「法華経の行者の祈りの叶わぬことはあるべからず」との御教示を素直に信じ、皆様と共にその「信の一字」の祈りによってその心願が御本佛様の御心に届いたからに他ならない。
この至心の祈りによってこの世に浄土を開いてくれる事が何より「久遠のみち」につながるものと思っている。

お会式法要
2022.10.13


本日行われた、宗祖御入滅報恩会式は、通称「お会式」と呼ばれます
弘安5年10月13日に御入滅(ご逝去)した日蓮聖人の遺徳を讃える法要です
前日の準備会、そして本年も沢山のお参り本当にありがとう御座いました
私も日蓮聖人への報恩を今後も懇ろに勤め参ります

お会式の準備
2022.10.12


本日は明日のお会式に向けて檀家さんと大掃除と法要準備をします
1年の汚れを落とし、新たな気持ちで、10月13日お会式法要を行います
※豆知識
日蓮聖人ご入滅は、弘安5年(1282)10月13日です。
全国日蓮宗の寺院では、一年で一番大切な行事として、お会式法要を営みます

久遠のみち(十)
2022.10.09

久遠のみち(十)  
前回、マザーテレサの心の中に潜む神の認識は極めて法華経的だと云ったのは、ひたすら菩薩行(同じ佛性を持つ人間が他を救済する事によって同時に己の佛性をも磨かれていく実践的生活)に勇往邁進していたからである。
さて、彼女にとって「そうせずはにおれない」言動は、いったいどこから生まれたのだろうか。
たとえ路傍で死に逝く人々がいても、彼女は、シスターと共に朝夕の神への祈りの時間だけは欠かすことがなかったという。
その何より大切な祈りの中から育まれた自然にして最も崇高な働きかけでなくて何だろうと、思っている。
神の黙示なのかも知れない。彼女の意思の奥に潜む神秘な世界(久遠本佛)が現実に顕れてくる(救済活動)ためには、どんな高等な哲学も及ばない「信」による祈り以外にないことを示唆している。
その神秘世界の意思を神とも佛とも云っても過言ではない。
云うならば、人間の行い得る最尊の境地を我々に教えている。
日蓮大聖人は、この真理を八万法蔵に及ぶ経典の中から法華経(正しくは妙法蓮華経)こそが神秘世界の意思を説く根本経典であることを認識され、佛性開覚の祈りとして南無妙法蓮華経と唱える至心唱題を説いたのである。
世の中には、この祈りそのものの行為をいとも簡単に呪いの術などと下等な人間がやるものと誤って認識している人が多い。
かつて、宮沢賢治がその真理を深く覚って帰郷し、花巻市内を団扇太鼓を打ちながら御題目を唱えて行脚した時、孤高な修行者とは見ず、気が狂ったとまで評された。
俗世の偏見が知らず知らずに一人歩きしてきたのが今日の社会である。
真剣に耳を傾ける人々が少なくなった。