風の色

祈りと信仰(四十八)
2023.10.22

祈りと信仰(四十八)
今の日本人はどうなっているの?
そんな声が世界中の国々から問いかけられているようでならない。
コメの問題一つとっても、世界に向かって何一つ説得力を持てない。
そればかりか日本全体が危急存亡の前兆かに報道されて一層その主食を守るための正当論で押し通そうとしているようでならない。
ひるがえって、今までの金権主義の横行、飽食果てはグルメ時代と次から次へと有り余る食べ物に対する無節操な国民と聞けば尚更のこと、今更自分等の生きることだけを理解してくれと頼んでも誰が素直に「ハイ」と云ってくれるだろうか。
どうしても「あなた」より「私」が優先する利己主義でなくて何だろう。
インドのカルカッタでマザー=テレサは、救民活動の最中、貧しいテントの中にいる飢餓で今にも死に逝く母とその子供に向い自分のお弁当を与えようとすると、その母は無言でお弁当の半分を指で縦に引き、残りの半分を隣に住む同じ境遇の母児に与えてくれと目で伝えている姿に、崇高な神様を見たと云われる。
何と至妙なる哉!この世の出来事かと万感胸に迫る。
まさに貧しいが故に慈悲の心一つで人間の魂が発揚する浄土が現に存在していることである。
ご本佛様や神様も、その量り知れない尊い生き方を本当の願いとして私たちに語りかけている。
それに応えていく実践が欲得無しの無、私の祈りではなかろうか。マザー=テレサの祈りと心を鏡として生きたいものである。