風の色
- 祈りと信仰(四十九)
- 2023.10.29
祈りと信仰(四十九)
「深く因果を信じて一実の道を信じ、佛は滅したまわずと知るべし」
法華経観普賢菩薩行法経法華経の中に、法華経を広めることについて、釈尊の御在世ですらなかなか難しく、まして釈尊滅後の末法の濁乱であるこの世においては尚更のこと怨みや嫉みが多いので、そこを忍んで菩薩行を実践していけば、必ずその人の周りには如来の遣わした変化の人が現われて、守護してくださる。
能く能くこのことを信じて法華経の実践に精進することを説いている。
所で、この世に無垢のまま生を受けた筈の人間が、娑婆の汚泥に染まるにしたがい疑いの心を身につけてしまい、正直に信ずる心を失いかけてしまった。
これも持って生まれた悲しい業といえる。しかしながら、有り難いことに元々から佛性を備えているが故に、私たちは必死に信ずるものを求めて生きている。
所で、同じ信ずる心といっても様々である。
自己流で作り上げた世界観を信じて生きる場合と、釈尊以来の法華経の世界観(大法)を信じて生きる場合がある。菩薩行の実践とは、妙法蓮華経の教えを一切疑わず心から信じて行うまさに求道の姿であり、後者の立場である。大法の中に生きるのと自己流の世界観に生きるのとでは天地の違いである。
ご本佛様は貴方のすぐ傍に居られる。だからこそ、まず大法を素直に聞く心を育てゝご本佛様の大慈悲心に生かされたい。
一実の道のもつ意味は甚深である