風の色

祈りと信仰(三十一)
2023.06.18

祈りと信仰(三十一)
『世をあわれみ人を助けよ、これわが罪を消し行く末の悪をのがるる道なり』
日蓮大聖人御遺文【開目抄より】

最近の事ですが「成る程なぁ」と感心させられた事を申し述べてみたいと思います。
私の友人ですが、ご夫婦を柱にあるお店を経営していまして、時々お邪魔する機会があります。
もとより人情深く世話好きでいつも笑みの絶えない友人はこれといった趣味や遊びもしない仕事一筋の人生、奥さんはといえば、ご主人をよく助ける一方、忙しい最中にもかかわらず大変な読書家でしかもその内容が佛教に関する本というのでありますから敬服の念しきりであります。
さて、私が関心したというのは、この奥さんはいつも佛の世界に生かされているような気がしたのです。
何故かと申しますと、底抜けの明るさであります。きっとこの明るさが家族はもとより、お客さんなど日々に接する人々全体にどれほどの救いを与えているかと思えたからです。
そして、ご主人である友人の笑顔は倍にして奥さんからも頂いているのだと思い、この仲睦まじいご夫婦のお人柄に心がいつも洗われるのです。
この明るさの秘訣は宗教的な本を読んでその知識から得たものというより、もともとその奥さんに備わっていた佛性(救済・成佛の根源)がその本によって呼び覚まされたものではないかと思いました。
つまり本を読むことによって何かをつかみそれによって自己を高めたいという姿勢が心の奥に眠っていた人間本来の魂を呼び起こしたのでありましょう。
この明るさは、まさに自らを燈火として生きる佛様の姿そのものだからであります。