風の色
- 祈りと信仰(一)
- 2022.11.13
祈りと信仰(一)
この世において祈りのない宗教はありません。
では祈りとは何かと申しますと少し硬い表現になりますが、敬虔なる神(ご本佛)の大慈悲心を一心にこの身に映しだそうとする行為(帰依)ということです。
このはたらきを法華経では、一念信解の妙用と言っております。
お題目は、まさに最高の祈りであります。
その最高の祈りを真実の祈りと思って唱える事が大切なのです。
誰でもがよく経験することですが、忘れものをすることがあります。
しかも、自分にとってかけがえのない大切なもの(物心両面)です。
それを見つけ出した時の喜びは何とも言いようのない心の満足が涌いてまいります。
これは本来自分の心を支えていたり慰めてくれたもので、自分と一緒にあったものだからなのです。
私たちの心には元々からやさしい慈しみの心をもって生まれてきている証拠でもありましょう。
こうした心を佛性とも言いますが、これを覆い隠して見えなくすると物事の判断を誤り結果は、苦しみが重なり迷うことになるのも道理です。
日蓮聖人は、この道理を信じて疑わない人は必ず佛の智恵が備わり、祈りの叶わないことはないと導いて居られます。
ですから、お題目の祈りそのものの法華経は、言葉では言えず、心で考えることの出来ない不思議で有り難い御経であると示されております。
従って、元から備わっている佛性を一念で呼び現わすこと(お題目の祈り)によって本佛の心を己に映しだして(自己の魂に染めること)日常生活に生かしてこそ真の信仰の生活と言えます。